日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのクロロフィルb還元酵素の機能解析
*堀江 裕紀子伊藤 寿草場 信田中 亮一田中 歩
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p. 0539

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抄録
クロロフィルb還元酵素はクロロフィルbを還元して、クロロフィルaに変換する酵素である。シロイヌナズナには2種類のクロロフィル還元酵素NYC1とNOLが存在する。NYC1,NOLの機能と役割を明らかにするために、それぞれの遺伝子の発現と変異体の表現型を解析した。NYC1遺伝子変異体は葉の老化の際に、クロロフィルbの分解が抑制され、staygreenの表現型になるのに対し、NOL遺伝子変異体ではクロロフィルbが分解され、staygreenの表現型にはならなかった。また、成長時と老化時のNYC1とNOLの発現パターンが異なる事がわかった。よってシロイヌナズナにおけるNYC1とNOLは個別に働き、役割が異なると考えられる。また、クロロフィルb還元酵素の活性はLHCIIの分解に必須であると考えられる。そこで、クロロフィルb還元酵素がLHCIIの分解機構にどのように関わっているかを解明するために、in vitroで大腸菌を用いて発現させたNOLのタンパク質を用い、LHCIIを基質として反応過程のタンパク構造と結合している光合成色素を解析した。この結果、クロロフィルb還元酵素はLHCIIに結合しているクロロフィルbの還元が可能な事が明らかになった。
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© 2008 日本植物生理学会
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