日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Synechocystis sp. PCC 6803のヘム・クロロフィル生合成系における2つのコプロポルフィリノーゲンIIIオキシダーゼ
*後藤 武知南崎 啓藤田 祐一
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p. 0540

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抄録
コプロポルフィリノーゲンIIIオキシダーゼ(CPO)は、ヘムやクロロフィルに共通の生合成系において、コプロポルフィリノーゲンIIIを酸化的脱炭酸によってプロトポルフィリノーゲンIXに変換する酵素である。この反応にはO2を電子受容体とするHemFとRadical SAMファミリーに属するHemNという構造的に全く異なる2種類の酵素が存在する。ラン藻Synechocystis sp. PCC 6803のゲノムにはE. colihemFと高い類似性(55%)を示すsll1185E. colihemNと類似性(49%)を示すsll1876Bacillus subtilishemNと類似性(37%)を示すsll1917が存在する。本研究では、これらの3つの遺伝子にコードされるタンパク質がCPOとして機能し、環境の酸素レベルに応じてどのように機能分化しているかを明らかにするために、各遺伝子の欠損株の形質を検討した。sll1185欠損株は好気条件で生育できず、コプロポルフィリンIIIを蓄積した。またsll1876欠損株は嫌気条件で生育遅延が認められ、5-アミノレブリン酸添加によりコプロポルフィリンIIIを蓄積した。一方、sll1917欠損株は調べた条件では野生株との違いは認められなかった。これらの結果からSynechocystis sp. PCC 6803は、好気条件ではSll1185、嫌気条件ではSll1876を主なCPOとしていることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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