抄録
緑藻クラミドモナスは環境中のCO2濃度が低下すると、無機炭素濃縮機構(CCM)を誘導し、光合成を維持する。CCMには、CO2欠乏条件下で誘導される種々のタンパク質が関与すると考えられている。我々は、CO2欠乏条件下における発現プロファイルの解析により同定した、CO2欠乏誘導性遺伝子の機能を解析している。CO2欠乏誘導性タンパク質LCICは推定分子量45kDaの葉緑体局在が予測された親水性タンパク質をコードしており、CO2欠乏誘導性タンパク質LCIBと55.6%の相同性をもつ。LciBは機能欠失変異体の解析から、CCMに必須であることが知られており、LciCもLciBと同様の機能を有していることが予測された。
我々はLCICの細胞内局在を、GFP融合遺伝子法、ならびに抗LCIC抗体を用いた免疫金電子顕微鏡法により解析した。LCIC-GFP融合タンパク質のGFP蛍光はRubiscoが密に存在する葉緑体内の区画であるピレノイドの周囲に観察され、さらに、免疫金電子顕微鏡像では、ピレノイドを取り囲むデンプン鞘の周囲に偏在する金粒子が観察された。CO2欠乏条件下で上記のような局在性を示すLCICの機能について議論する。