日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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4-hydroxybenzyl alcoholおよびその類縁化合物がニンジンおよびシロイヌナズナの不定胚形成に及ぼす阻害および促進効果についての解析
*東 克己荒川 響子稲葉 史君塚 直美阪野 淳美渡邉 麻菜渋川 登美子竹内 智彦菊池 彰鎌田 博
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p. 0624

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抄録
ニンジン不定胚発生阻害因子4-hydroxybenzyl alcohol(4HBA)は、胚発生能力を有する細胞(embryogenic cells)より放出され、液体培養時には不定胚発生を阻害する。我々は、2007年度年会において、胚発生能を誘導したニンジン実生胚軸を固形培地上で培養した際、4HBAの類縁化合物であるvanillyl alcohol(VA)が不定胚発生を阻害せずにむしろ促進することを報告した。組織学的観察、および胚のマーカー遺伝子の発現解析の結果は、4HBAおよびVA が初期の胚発生過程を阻害し、その後の胚発達は促進することを示唆していた。そこで、モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、不定胚発生への4HBAおよびVAの阻害・促進効果について調べた。その結果、シロイヌナズナ吸水種子からの不定胚発生は、1x10-6 Mの4HBAで阻害され、1x10-5 MのVAによりわずかに促進された。一方、ニンジン不定胚形成について、不定胚誘導時の一定期間のみに4HBAおよびVAを与えることで、阻害・促進作用を示す時期の特定を試みている。
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© 2008 日本植物生理学会
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