日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ゼニゴケのFTホモログ解析
*有手 友嗣竹村 美保大山 莞爾
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p. 0650

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抄録
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)は雌雄異株の植物であり、ゲンマと呼ばれる無性芽で増殖するほか、有性生殖も行い増殖する。ゼニゴケは一年に2回、雌器托および雄器托と呼ばれる傘状の組織(生殖器)を形成し、その下に造卵器および造精器を形成して有性生殖を行う。また、生殖器は長日下で誘導されることが知られている。しかし、そのメカニズムについては未だ不明なことが多く、分子遺伝学的な解析もほとんど行われていない。
最近、シロイヌナズナのFTタンパク質およびイネのFTホモログ(Hd3a)が日長の感受と花芽形成を結びつける花成ホルモン(フロリゲン)の正体であることが示された(Coupland et al. 2007, Shimamoto et al. 2007)。同じく日長によって制御されている可能性があるゼニゴケの生殖器の誘導にも、FTホモログが関与している可能性が考えられた。そこで、ゼニゴケのFTホモログを単離し、解析を行った。EST情報を元にFTと相同性の高い配列を2つ単離し、それぞれMpFT1、MpFT2と命名した。MpFT1はシロイヌナズナFTに対して、アミノ酸レベルで37%、MpFT2は42%の相同性を示した。MpFT1とMpFT2は葉状体と生殖器のどちらでも発現していた。現在、MpFT1とMpFT2の機能欠失体を作成しその表現型の解析を行っている。
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© 2008 日本植物生理学会
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