日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナMYB3R4破壊株に見られるサイトキネシスの異常をエンハンスする変異体の解析
*齊藤 隆藤河 秀喜羽賀 望伊藤 正樹
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p. 0676

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抄録
植物の細胞周期中でG2/M期に発現する遺伝子の多くは上流域に共通のシスエレメント(MSAエレメント)を持ち、そこに結合するR1R2R3-Mybによって転写が制御されている。シロイヌナズナには5個のR1R2R3-Myb遺伝子が存在するが、そのうちMYB3R1MYB3R4は互いによく似た転写活性化因子をコードしており、myb3r1 myb3r4二重変異体ではG2/M期特異的遺伝子のmRNAレベルの減少や、不完全なサイトキネシスに起因する様々な異常が見られる。我々はG2/M期特異的遺伝子の転写活性化に関わる新奇因子群の同定を目的として、myb3r4破壊株に見られる弱いサイトキネシスの異常をエンハンスする変異体の単離と解析を行っている。このようなエンハンサー変異体からはMYB3R1, MYB3R4と重複した機能を持つ転写因子や、MYB3R1の転写や活性を制御する因子、サイトキネシスに直接関わる標的遺伝子などが同定される可能性がある。これまでの研究から野生型ランズバーグ株に存在する多型がmyb3r4の異常をエンハンスすることを偶然明らかにしており、現在その原因遺伝子の同定を行っている。また、myb3r4変異体の種子にEMS処理を行い、エンハンサー変異体の単離を行っているのであわせて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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