日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるEB1タンパク質ファミリーの機能解析
*小牧 伸一郎阿部 竜也橋本 隆
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p. 0717

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抄録
微小管には付随するタンパク質が多数存在するが、その中でも特に微小管のプラス端に集積するタンパク質は+TIPと呼ばれ、微小管の制御に大きな役割を果たしていることが知られている。+TIPの1つであるEB1は酵母から動植物にいたる幅広い生物に存在し、他のタンパク質と機能的複合体を形成することで、微小管の配向や安定性に関与することが多くの実験より示されている。シロイヌナズナには3つのEB1ホモログ(AtEB1a, AtEB1b, AtEB1c)が存在するものの、その機能はいまだ解析されていない。
そこで本実験では植物におけるEB1の役割を明らかにすることとした。GUSレポーター遺伝子を用いた実験によりAtEB1aおよびAtEB1bは花粉において、またAtEB1cは分裂組織で強く発現することが確認された。次に微小管重合阻害剤であるオリザリンに対する感受性を調べたところ、AtEB1cの変異体だけが高感受性を示すことが明らかとなった。さらにAtEB1bとAtEB1cにGFPを融合したタンパク質をシロイヌナズナ植物体内で発現させ、局在性を調べた。その結果、AtEB1bは他の生物のもつEB1と同様に微小管のプラス端に集積した局在を示したが、AtEB1cは核局在を示した。以上の結果より、AtEB1cはAtEB1aおよびAtEB1bとは異なる機能を持つことが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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