抄録
金属めっき浴槽や原子力発電所等の工業施設においては、その過酷環境のため非破壊検査は容易ではないが、昨今の安全基盤向上の動きを受け、長時間の測定が可能なセンサの開発が求められている。従来の測定では遅延線が用いられていたが、装置が大型になり、信号処理も複雑になる。そこで本研究では、ジルコン酸チタン酸鉛ベースゾルゲル複合体を圧電材料とし、遅延線を用いずに高温超音波センサを作製した。センサは約0.2mm厚のステンレス基板上に約0.1mm厚の圧電膜をスプレーコーティング法により作製した。その結果、室温から200℃のオイルバス内において、厚さ36mmのアルミニウム底面からの反射エコーが確認された。