日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ポプラ引張あて材におけるG層局在タンパク質の解析
*加来 友美世良田 聡馬場 啓一林 隆久
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p. 0721

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抄録
二次肥大成長を行う木本植物では、あて材と呼ばれる特殊な二次木部を形成することによって、屈曲による姿勢制御を行っている。広葉樹では、屈曲内側に引張あて材を形成し、その強い引張応力によって幹や枝を曲げる。典型的な引張あて材では、セルロースに富んだ細胞壁層であるG層を形成する。通常の木部と異なる強い引張応力は、G層で発生すると考えられている。我々はこれまでに、ポプラG層にキシログルカンが存在し、与えたキシログルカンを取り込む酵素活性があることを明らかにしてきた。本研究では、G層の形成機構や応力の発生機構に関与するタンパク質をとらえることを目的として、G層から抽出されるタンパク質の同定を試みた。ポプラからあて材組織を採取し、超音波処理によりG層を単離した。単離したG層から尿素/界面活性剤溶液を用いてタンパク質を抽出した。抽出したタンパク質をトリプシンで分解し、得られたペプチド混合物をLC-MS/MSによる質量分析により解析した。データベース検索によりタンパク質の同定を行ったところ、セルロースシンターゼ(CesA)は2種類検出された。また、キシログルカンエンドトランスグルコシラーゼ(XET)は3種類のアイソザイムが検出された。
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© 2008 日本植物生理学会
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