抄録
イネのRIM1遺伝子は新規NAC転写調節因子をコードしており、機能欠損変異体の解析から、ジャスモン酸(JA)シグナルのリプレサーとして機能すること、またプロテアソームによる分解の制御を受けることを昨年度報告した。一方、シロイヌナズナではJAシグナルのリプレサーとしてJAZ遺伝子ファミリーが同定されており、F-boxタンパク質をコードするCOI1のターゲットとして分解の制御を受けることが明らかになっている。興味深いことにシロイヌナズナで1コピーしか存在しないCOI1が、イネにおいては3コピー存在する。このことから、イネCOI1相同遺伝子はJAZ遺伝子ファミリー以外にRIM1もターゲットとして使い分けている可能性が考えられた。そこで今回は、RIM1がCOI1のターゲットであるかどうかを検証した。酵母Two-hybridの系による検定およびc-Myc:COI1発現カルスを用いた共精製の検定では、RIM1とCOI1の直接相互作用は検出できなかった。これらの結果、イネにおいては、JAZ-COI1を介した経路以外にRIM1によるJAシグナル伝達経路が存在することが示唆された。