日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸生合成酵素遺伝子の局所的傷害応答におけるCTDホスファターゼの負の転写制御機能
*松田 修小田 賢司射場 厚
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p. 0942

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抄録
トリエン脂肪酸は植物生体膜の主要構成要素であるとともに、病傷害応答における中枢的シグナル因子であるジャスモン酸の合成前駆体として、重要な役割を担っている。ジャスモン酸の生合成酵素をコードする遺伝子の多くは、傷害により転写レベルの発現が顕著に上昇する。また、最終産物によるフィードフォワード制御を受けており、傷害時におけるジャスモン酸の速やかな蓄積を可能としている。FAD7はトリエン脂肪酸合成を触媒するω-3デサチュラーゼの葉緑体型アイソザイムをコードするが、このような発現応答性を示す代表的な遺伝子である。しかし、この遺伝子の発現応答は、局所的な被傷害組織に限られており、一般的なオミックス解析技法により、その主要な制御因子を同定することは困難である。われわれはFAD7プロモーターとルシフェラーゼ遺伝子の融合遺伝子をシロイヌナズナに導入することにより、局所的な傷害応答を非破壊的に検出することのできる実験系を構築した。この形質転換植物を用いた遺伝学的スクリーニングにより、FAD7の傷害応答に異常を示す突然変異体を単離し、傷害高感受性の原因となる変異遺伝子の1つが、RNAポリメラーゼのC末端ドメイン(CTD)を脱リン酸化する酵素をコードしていることを明らかにした。本発表ではこの知見に加え、ジャスモン酸およびそのシグナル関連因子と、単離した突然変異体とのエピスタシス解析の結果について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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