日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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パルス変調蛍光測定法の基礎講座:原理と測定法
*園池 公毅
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p. S0057

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抄録
光合成速度の測定には、二酸化炭素の吸収速度を測定する方法、あるいは酸素の発生を測定する方法などが古くから用いられてきた。近年になって、パルス変調を用いたクロロフィル蛍光測定により、光合成速度や収率を見積もる方法が開発された。この方法は、光合成の電子伝達速度、光化学系IIの最大量子収率、エネルギーの熱放散の効率などを簡便に見積もることができるため、急速に使用例が増えている。また、植物体の葉をそのまま非破壊的に測定できること、海水中のプランクトンの光合成活性をそのまま測定できることなどから、野外での応用例も増え、光合成のさまざまな側面の指標となるパラメータが提案されている。一方、測定自体は「ボタンを押すだけ」に近く簡単であるにもかかわらず、その原理は十分に理解されているとは言えず、測定はしてみたもののデータの解釈がわからない、などという声も少なくない。また、高等植物と藻類では、異なる測定方法および異なるデータの解釈が必要である、といった問題点も存在する。そこで、本講演では、クロロフィル蛍光測定方法について、パルス変調の仕組みからその原理を平易に解説し、基本的な測定方法とその問題点について紹介する。
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© 2008 日本植物生理学会
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