日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑藻クラミドモナスの光合成変異株の蛍光測定
*高橋 裕一郎
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p. S0058

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抄録
単細胞の緑藻クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)は高等植物と同様の光合成反応を行い、遺伝学的や生化学的解析が可能であることから、光合成研究のモデル生物として使われてきた。とくに酢酸塩存在下で従属栄養的に生育するため、数多くの光合成変異株が単離され、光合成装置の構造と機能の解明に大きく寄与してきた。近年では葉緑体と核の形質転換が可能となり、光合成変異株のスクリーニングに、コロニーの蛍光収率の変化、例えば蛍光収率の高低や、蛍光収率の時間変化(蛍光誘導機現象)が有効に使われている。特に後者を測定することにより、電子伝達系に変異が生じた部位をより詳細に推定もしくは特定することが出来るようになり、変異株のスクリーニング効率が改善された。ここではクラミドモナス野生株の蛍光誘導機現象の測定例を紹介し、高等植物の場合との違いなどを議論したい。さらに、様々な光合成変異株や形質転換株の測定結果を紹介し、光合成電子伝達系の特定の部位が完全にもしくは部分的に機能が損なわれると蛍光誘導機現象にどのような影響を与えるかについて紹介する。
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© 2008 日本植物生理学会
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