日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのゲノム情報を利用したものつくり――創薬技術への応用
*平塚 和之
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p. S0065

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抄録
シロイヌナズナのゲノム情報と病害応答機構に関する研究の進展により、様々な病害応答関連遺伝子の性状が明らかになり、それらの有効活用が期待される状況となってきた。特に病害応答性遺伝子の発現パターンと、それらの発現制御配列に関する情報が利用可能となったことから、防御応答関連遺伝子プロモーターとレポーター遺伝子との融合遺伝子を迅速に作成し、利用することができる状況にある。私たちはシロイヌナズナのゲノム情報を利用した物質探索に関する技術開発を試み、植物の病害防除に有効な植物活性化剤(抵抗性誘導剤)の研究開発に有用であることを見出している。特に、ホタルルシフェラーゼ等の発光レポーターを導入した形質転換シロイヌナズナによるマルチウェルプレート(6~384穴)を用いたアッセイ系は、化合物ライブラリー由来の対象物質の所要量も少なく、市販の化合物ライブラリー等で極微量の試薬を扱う必要がある場合のハイスループットスクリーニング系としては理想的なシステムであることなどを明らかにした。今回は、化合物ライブラリースクリーニングの実例を紹介し、それらの問題点と今後の発光レポーター系の技術改良の方向性等について議論する。
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© 2008 日本植物生理学会
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