日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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微小管プラス端結合タンパク質EB1を用いた表層微小管再構築機構の解析
*剱持 雅則朽名 夏麿佐野 俊夫馳澤 盛一郎
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p. 0023

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抄録
植物細胞に特徴的な細胞内構造の一つである表層微小管は、セルロース微繊維の沈着方向を制御することで細胞の形態を決定する重要な構造である。表層微小管はM期の開始前後に消失し、G1期の開始時に再構築されるが、その制御機構については未だ不明な点も多い。そこで我々は、高度な分裂同調培養が可能であるタバコBY-2細胞に、GFPと微小管プラス端結合タンパク質であるEB1(End Binding protein 1)の融合タンパク質を発現させた細胞株(BY-GEB1細胞)を確立し、微小管のプラス端を追跡することで表層微小管再構築機構の解析を行った。その結果、再構築の初期段階においては、表層微小管はおおむね細胞端部方向に伸長しつつも、かなりのばらつきがあった。この特異的な伸長パターンはプロトプラストから液胞を取り除いたミニプロトプラストを調製し、表層微小管を消失させた後の表層微小管再構築過程でも確認された。さらに現在、プラス端の動きを経時的に追跡することで微小管の伸長方向を測定するプログラムを作成し、この現象を定量的に検証している。本発表では表層微小管再構築の初期段階では細胞長軸方向の微小管が存在するという従来の知見を再検討するとともに、不規則な配向の伸長から細胞短軸方向に配向が整うメカニズムを考察したい。
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© 2009 日本植物生理学会
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