日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ生細胞における微小管形成のライブイメージング
*中村 匡良Ehrhardt David W.橋本 隆
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p. 0024

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抄録
植物細胞は動物細胞のような決まった微小管形成を持たないが、既存の微小管に分散して存在するγチューブリン複合体から微小管を形成する。我々は植物微小管形成の機構や役割を明らかにするため、微小管を標識するmCherry-TUB6と微小管重合核を標識するAtGCP2-GFPを同時に発現するシロイヌナズナ形質転換体を作製した。生細胞内で微小管重合核を介した微小管形成を可視化することにより、間期表皮細胞において以下の3つの微小管形成機構が観察された。(1)既存の微小管から約40°の角度を持って分岐するように新規微小管を形成する。(2)既存の微小管に平行に新規微小管を形成する。その結果即座に束化が形成される。(3)微小管非依存的に細胞膜から新規微小管を形成する。微小管重合阻害剤により微小管を消失させても、細胞膜に微小管重合核が確認された。これらの結果から、微小管重合核が表層微小管との相互作用のほか、細胞膜に微小管非依存的に相互作用する機構の存在が示唆された。現在、微小管切断タンパク質カタニンの活性を持たない変異株における微小管形成についても動態解析を行っている。これにより、微小管の配向化に微小管形成がどのように寄与するかが明らかになることが期待される。
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© 2009 日本植物生理学会
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