日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑藻クラミドモナスのPSIIに結合した表在性蛋白の架橋反応によるトポロジー解析
*長尾 遼新倉 綾子鈴木 健裕堂前 直奥村 彰規岩井 雅子榎並 勲
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p. 0046

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抄録
緑藻クラミドモナスの表在性蛋白は、高等植物と同じPsbO, PsbP, PsbQからなるが、その結合様式は高等植物と異なり、それぞれが単独でPSII膜蛋白と結合する。しかし、これらの表在性蛋白がPSII膜蛋白のどのサブユニットと結合しているか不明である。そこで、この点を明らかにする目的で、静電的結合部位にアタックし架橋する水溶性カルボジイミド(EDC)を用いてクラミドモナスPSIIを処理した。架橋処理したPSIIをTris処理して未架橋の表在性蛋白を遊離させた後、Blue-Native PAGE にかけPSII coreを調製した。こうして得られたPSII coreに表在性蛋白の架橋したバンドが存在するかどうか抗体を用いて検出した結果、PsbO, PsbP, PsbQの全ての表在性蛋白がPSII coreを構成する膜蛋白と架橋することを見出した。これらの表在性蛋白が、PSII coreを構成するどの膜蛋白と架橋したかについても解析したので、その結果について報告する。さらに、EDC架橋後、Tris処理により遊離した表在性蛋白を用いて各表在性蛋白との抗体反応を行った結果、PsbPとPsbQからなる架橋バンドが検出された。このPsbPとPsbQの架橋部位も同定することができたので、合わせて報告する予定である。
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© 2009 日本植物生理学会
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