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Ycf12は近年、光化学系II複合体(PSII)のサブユニットであることが報告された低分子量膜貫通タンパク質であるが、その存在位置は不明である。我々はThermosynechococcus elongatus(T. elongatus)のYcf12欠損株から、PSIIダイマーを精製し、結晶化し、X線結晶構造解析を行った。野生株PSIIとの差フーリエ電子密度から、Ycf12はPSIIの外縁部、PsbK、PsbZの近傍に位置することが判明した。これはベルリンのグループが報告した3.0Å分解能の構造において、未同定へリックスX1に対応する。この結果と我々がすでに報告したX2=PsbYの結果を考え合わせると、残る未同定のサブユニットX3はPsbXであることが推測された。また、我々はPsbZ欠損株よりPSIIダイマーを精製、結晶化したが、得られた結晶の格子定数が野生株のものと大きく異なっており、PsbZがPSII結晶中のダイマー同士の相互作用に関わっていることが示唆された。PsbZがYcf12のPSIIへの結合に必要であることは、PsbZ欠失株から精製したPSIIではYcf12とPsbKが脱落していることから示されたが、Ycf12欠失PSIIの結晶が野生株と同じ格子定数を持つことから、Ycf12はPSIIへのPSbZの結合に必要ないことが示唆された。