日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの小穂構造の発生を制御する遺伝子の機能解析
*吉田 明希子平野 博之
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p. 0117

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抄録
花序や花の形態は植物種により多様である。花器官のアイデンティティーの決定にはABCモデルが提唱され、真正双子葉植物に広く当てはまることが示されている。しかし、単子葉植物の花序や花は、真正双子葉植物とは大きく異なるため、その発生には独自の制御システムも機能していると考えられる。そこで、植物花器官の進化に関わる新たな知見を見出すことを大きな目標として、本研究では、イネ科植物における花の形態形成とその発生機構に関する研究を行った。イネの小穂には、1つの完全な小花とその外側に一対の護穎が形成される。護穎は、本来この位置に作られるべき2つの小花が退化して、唯一残された外穎の形態が変化した器官であると考えられている。そこで、護穎の発生とその進化的な意義を探る目的で、護穎が長くなる一因子劣性突然変異体に着目して研究を行ってきた。その結果、この変異体では単に護穎が長いだけではなく、護穎のアイデンティティーが外穎様に変化している可能性が考えられた。今回は、同定した変異体の原因遺伝子についての発現パターン解析やタンパク質の詳細な機能解析について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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