日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒロハノマンテマ両性花変異体と無性花変異体における雌雄花芽メリステムの発達と抑制
小泉 綾子山中 香石井 公太郎鳥居 千寛西原 潔風間 裕介阿部 知子*河野 重行
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p. 0120

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抄録
雌雄異株植物ヒロハノマンテマに炭素イオンビームを照射し両性花突然変異体R025を単離した。R025はY染色体をもち、花芽の領域が決定されるステージ5で、雌(♀)と同じ大きな雌蕊領域を生ずる。これには、花器官の領域決定に関わるSlSTM (SHOOT MERISTEMLESS)の12SlCUCCUP-SHAPED COTYLEDON)、SlCLV1CLAVATA1)などが関与する。R025は、雌蕊領域でSlSTMが発現し、SlCUCの発現は検出されない雌(♀)型であった。SlCLV1も雌(♀)型の発現パターンだった。一方、K034は栽培中に単離された雄(♂)の無性花突然変異体で、ステージ7になると雌蕊(♀)が棒状に抑制された無性花か、数枚の心皮をもつ雌蕊の雌様花になる。その割合はほぼ9:1であった。雄蕊(♂)促進はY染色体のSPF領域で、この部分が欠けると、SLM1 (AGAMOUS) とSLM2 (PISTILLATA)の発現が消失し雄蕊(♂)は発育不全となる。SlSTMSlCUCSlCLV1 を発現解析すると、ステージ3で雄(♂)型と雌(♀)型の発現パターンが観察され、中間型の発現パターンはなかった。解析したもののうち、5つは雌(♀)型であり、残り32は雄(♂)型であった。SlSTM-SlCUCあるいはSlCLA1の発現パターンはその後の雌蕊(♀)抑制に対応していた。
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© 2009 日本植物生理学会
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