日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ葯壁のタペート細胞特異的に働くプロモーターの探索と解析
*鈴木 俊哉中村 研三石黒 澄衞
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p. 0122

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抄録
葯壁のタペート細胞は花粉の形成に必須な役割を果たすと考えられているが、その機能の多くは未だ謎に包まれている。遺伝学的なアプローチからタペート細胞の働きを解明するためには、花粉形成過程の様々な時期にタペート細胞で働くプロモーターの存在が不可欠である。しかしそのようなプロモーターはまだ数少ないのが現状である。我々はタペート細胞特異的に蓄積するタンパク質をコードするGRP17に着目し、レポーターを用いてそのプロモーター解析を行った。その結果、プロモーターはタペート細胞のみで働き、発現には翻訳開始点から上流150bpの領域で十分であることが明らかとなった。その中には他のGRPのプロモーター領域すべてに保存された配列が存在し、そこに塩基置換を加えることよって発現は全く見られなくなった。従ってこの配列は転写制御因子の結合領域であると考えられ、今後Yeast one-hybrid法を用いてその探索を行う予定である。脂質の代謝や輸送に関わる脂質輸送タンパク質(LTP)の中には、タペート細胞のみで働くものが多く存在する。そこでそれらのプロモーター解析を行ったところ、プロモーターはいずれもタペート細胞特異的に働き、それぞれ花粉形成過程の異なる時期に最も高い活性を示した。
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© 2009 日本植物生理学会
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