日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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動原体に局在するオーロラキナーゼのイメージング解析
*松永 幸大栗原 大輔池田 虎三大村 知広内山 進福井 希一
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p. 0131

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抄録
オーロラキナーゼは細胞分裂を制御するセリン・トレオニンキナーゼであり、生物種を超えて高度に保存されている。植物のオーロラキナーゼは、体細胞分裂期に紡錘体や細胞板に局在するタイプIと、染色体動原体領域に局在するタイプIIに大別される。培養細胞を用いたライブセルイメージング解析により、タイプIIのオーロラキナーゼは、動原体微小管の修正機構や染色体分離に関与することを明らかにしてきた。オーロラキナーゼの研究は動植物を通じて細胞レベルに集中しており、個体の分化・発生に関する知見は極めて少ない。そこで、今回、オーロラキナーゼの植物体における機能を考察する。初めに、タイプIIのオーロラキナーゼをシロイヌナズナ植物体でイメージングした。根や初期胚の分裂細胞では、培養細胞と同様にオーロラキナーゼの動原体局在性を確認できた。また、RNAiによりノックダウンした植物体を作成して表現型解析を行った。地上部と地下部ともに成長阻害が見られた。このノックダウン変異体の根を3Dイメージングして解析した結果を報告する。さらに、胚嚢から取り出した初期胚にオーロラキナーゼ阻害剤を添加した時の細胞分裂パターン変化も報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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