日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Synechococcus elongatus PCC 6301のrplKAJLオペロンの下流に存在する低分子RNAは遺伝子ファミリーを形成している
*杉田 千恵子杉田 護
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p. 0297

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抄録
Non-coding RNA (以下ncRNA)はさまざまな遺伝子発現調節を行っている。大腸菌では網羅的解析により80以上のncRNAが同定されているが、光合成を行う原核生物ではあまり解析が進んでいない。多くのncRNA遺伝子が遺伝子間領域に存在することから、新規のncRNAを探索することを目的として4種の淡水性ラン藻ゲノムの遺伝子間領域の相同性検索を行った。その結果、3カ所の相同性の高い領域を見い出した。1つはguaBtrxA遺伝子間領域に存在するRNA遺伝子yfr1で、yfr1欠損株は多くのストレスに過敏になることを報告した(Nakamura et al. PCP 2007)。本発表では2カ所の領域syc0182の下流とsyc0894の下流について報告する。前者の領域には120ntの低分子RNAが検出された。後者の領域は50Sリボソームタンパク質をコードするrplKAJLオペロンの下流であり、65ntの安定なRNAが発現している。高い相同性を示したSynechocystis PCC 6803のsll0185slr0199の遺伝子間領域にも65ntのRNAが発現していることを確認した。2つのRNAのコアな相同配列を利用し両ラン藻ゲノムを再検索すると複数の候補が得られ、ncRNAの遺伝子ファミリーを形成していると考えられる。さらに詳しい発現解析を行ったので報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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