日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光化学系I遺伝子発現におけるRpaA関与の検討
*緑川 貴文成川 礼池内 昌彦
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p. 0299

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抄録
psaABは光化学系I反応中心をコードする重要な遺伝子であり、シアノバクテリアの環境応答における主要な調節対象のひとつである。既に我々はSynechocystis sp. PCC 6803においてRrf2型転写因子Slr0846がpsaAB遺伝子の発現に関わることを報告している。一方、強光応答に関わるOmpR型レスポンスレギュレーターRpaB (Ycf27, Rre26)もまたpsaAB遺伝子のプロモーター領域へ結合することが明らかとなってきた。一方、RpaBと高い相同性をもつRpaA (Ycf27, Rre31)もまた光化学系への影響が示唆されてきたが、直接的な制御の標的となる遺伝子はみつかっていなかった。本研究では大腸菌から発現・精製したHis-RpaAを用い、psaABのプロモーター領域に対するゲルシフトアッセイおよびDNaseI フットプリントアッセイを試みた。その結果、psaAB遺伝子の上流の3ヶ所のRpaB結合領域のうち1ヶ所に比較的高い親和性で結合することがわかった。しかし、His-RpaBと比較するとDNAに対する結合は弱い。これらのことからRpaAはRpaBと似て非なる配列を認識し、転写調節に関与している可能性がある。現在、破壊株および過剰発現株を作製し、in vivoにおいてpsaAB遺伝子の転写に及ぼす影響を調べている。
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© 2009 日本植物生理学会
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