日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるジャスモン酸メチル誘導気孔閉口シグナル伝達経路でのプロテインホスファターゼ2Aの役割
*齋藤 直毅中村 宜督森 泉村田 芳行
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p. 0451

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抄録
植物において、様々な防御応答を司るジャスモン酸メチル(MeJA)は、アブシジン酸(ABA)と同様に気孔閉口を誘導する。MeJAが誘導する気孔閉口シグナル伝達には様々な因子が関与していることが報告されている。シロイヌナズナのタンパク質脱リン酸化酵素2A(PP2A)のAサブユニットの1つであるRCN1は、根におけるオーキシンシグナル及び孔辺細胞におけるABAシグナルに関与することが知られている。以前の我々の研究は、RCN1が、孔辺細胞におけるMeJAシグナルにも関与しており、正の調節因子として機能することを示唆した。RCN1は、MeJAによる孔辺細胞内の活性酸素種の産生、内向きカリウムイオンチャネル活性の制御に必須である。
今回我々は、MeJAによる孔辺細胞内の一酸化窒素産生やカルシウムイオンチャネル及びアニオンチャネル活性の制御機構におけるRCN1の役割を明らかにする為に研究を行った。ここで得られた知見は、シロイヌナズナ孔辺細胞におけるMeJAシグナリングの新たなモデルを提唱する。
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© 2009 日本植物生理学会
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