日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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TDIF様CLEペプチドの腋芽における働き
*柳沼 秀幸平川 有宇樹井上 明日香伊藤(大橋) 恭子福田 裕穂
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p. 0454

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抄録
細胞間相互作用を担う因子のグループの一つに、CLV3/ESR(CLE)ファミリーの遺伝子にコードされる12アミノ酸から成るペプチドの一群がある。その中でもCLE41、CLE42、CLE44の3種は互いに相同性が高く、それらの遺伝子は同じサブグループ(以下、TDIF-Like(TDL)サブグループ)に属す。これらのペプチドは、いずれも道管分化を抑制する活性がある。プロモーターGUSの解析ではCLE41CLE44は維管束において強く発現しているのに対し、CLE42は維管束ではなく茎頂分裂組織や腋芽を中心に強く発現していた。
そこで我々は、TDLサブグループ遺伝子の維管束以外の働きについて調べることとし、CLE42CLE41の過剰発現体を作成した。過剰発現体の表現形の解析の結果、これらのペプチドは既知の道管分化抑制活性のほかに腋芽の形成を促進する活性があることが明らかになった。ペプチドそのものを植物に投与する実験からもそのことが確かめられた。現在進行中の腋芽関連遺伝子の発現量の変化を追う実験の結果とあわせ、TDLサブグループペプチドによる腋芽の制御のしくみについて議論する予定である。
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© 2009 日本植物生理学会
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