日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体bil2, bil5サプレッサーの解析
*嶋田 勢津子中澤 美紀松井 南辻本 雅史浅見 忠男中野 雄司
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p. 0460

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抄録
ブラシノステロイドは、細胞伸長や分裂、光形態形成、葉緑体制御などの生理活性を持つ植物ステロイドホルモンである。我々はブラシノステロイド情報伝達機構の解明を目指し、暗所、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brz存在下での胚軸徒長を指標として、アクチベーションタグラインから半優性のbil2を選抜した。明所で生育したbil2の成熟個体は、ブラシノステロイド受容体過剰発現株BRI1-oxと同様なロゼッタ葉の上偏成長や葉柄伸長が観察され、ブラシノステロイド情報伝達が活性化していることが予想された。変異原因候補遺伝子は、細胞質に局在が予測される新規タンパク質をコードしており、タンパク質間の相互作用による細胞質内情報伝達に働いていることが期待される。
また、品種間差を利用したbil5の抑制因子の単離を試みている。bil5は、暗所、Brz存在下で胚軸徒長を示し、成熟個体は細矮性を示す。Columbia品種 (Col)由来のbil5変異体を近縁のLandsberg erecta品種(Ler)の野生型種と戻し交雑すると、成熟形質が野生型に復帰する株が出現することが観察されていた。このことから、Lerには、bil5遺伝子の機能を抑制するサプレッサー遺伝子が存在していると考え、バッククロス変異体の選抜とラフマッピングを進めている。
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© 2009 日本植物生理学会
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