抄録
次世代シークエンシングはディープシークエンシングとも呼ばれ、得られる情報量の膨大さでゲノミクスを変えつつある。我々のグループは、チューリヒ機能ゲノミクスセンターに導入された454シークエンサー(スイス・ロッシュ)を活用している。454シークエンサーの1晩のランにより、長さ400 bpの配列が100万フラグメント以上得られる。すでに454シークエンサーは、微生物コミュニティの同定やメタゲノミクスに使われている。これは、培養や配列クローニングによるバイアスを避けて、BLASTサーチに十分な長さのDNAシークエンスが直接得られるからである。我々のグループでは、植物と微生物の相互作用に着目して、食虫植物内に生息するバクテリアの解析を行っている。また、ゲノム情報がほとんど得られていない「非モデル」植物の解析も454シークエンサーを用いてすすめている。