日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ポリガラクツロナーゼを発現させた形質転換ポプラ
*加来 友美山西 由季馬場 啓一林 隆久
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p. 0488

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抄録
ポリガラクツロン酸は、ペクチン構成糖鎖として高等植物の一次壁や細胞間層に存在し、植物組織の分化・形態形成に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、ポリガラクツロン酸を加水分解するポリガラクツロナーゼをポプラで過剰発現させ、形質転換体の性状について解析した。CaMV 35Sプロモーターを用いてリンゴ由来のポリガラクツロナーゼ遺伝子を構成発現させた。形質転換ポプラの細胞壁は、野生型と比べてガラクツロン酸量が減少した。形質転換ポプラは、茎の伸長・肥大成長が野生型と比べて遅くなった。茎横断切片の顕微鏡観察の結果から、形質転換ポプラは各組織における細胞の径が野生型より小さいことがわかった。また、木部繊維細胞を解繊し、顕微鏡観察により繊維長を計測したところ、形質転換体において繊維長が短いことが認められた。このような矮性の表現型は、これまでにタバコおよびシロイヌナズナで報告されているポリガラクツロナーゼ発現形質転換体と一致した。
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© 2009 日本植物生理学会
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