日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉緑体NAD(P)H dehydrogenaseが関与する高温ストレスによるPSII活性の低下
*山内 靖雄Sugimoto Yukihiro
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p. 0505

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抄録
アラビドプシス(col-0)の光合成活性に対する温度の影響を、クロロフィル蛍光(Fv/Fm)を指標に調べたところ、35°C以下では影響が見られないのに対し、40°C以上の高温で急激なFv/Fmの減少が観察された。この減少は光に依存しており、光を照射することによりFv/Fmの減少はキャンセルされた。減少したFv/Fmの回復には24時間が必要であり、タンパク質合成阻害剤シクロヘキシミドが回復を阻害したことから、核コードの光合成系タンパク質がダメージを受けていることが考えられた。そこでPSIIの重要な核コードタンパク質であるOEC33の挙動を免疫ブロッティングで解析したところ、高温処理したアラビドプシスでOEC33タンパク質量の減少が観察された。次にNAD(P)Hデヒドロゲナーゼサブユニットを欠損したミュータント(ndhO)の高温耐性を調べたところ、col-0で見られた40℃におけるクロロフィル蛍光の減少、およびOEC33の減少が観察されなかった。野生株における高温ストレス前後のOEC33タンパク質の酸化修飾、過酸化脂質修飾を調べたところ、両者とも検出されなかった。これらの結果はNAD(P)Hデヒドロゲナーゼは、酸化障害が関わらない何らかのメカニズムで暗所・高温下におけるPSIIへのダメージに関与していると考えられる。
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© 2009 日本植物生理学会
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