日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネのショ糖代謝における Sucrose Synthase の生理的役割とリン酸化による活性制御機構の解析
*佐々木 忠将竹田 遥角田 明奈三浦 成敏島田 浩章
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0590

詳細
抄録
貯蔵器官に転流されたショ糖は、sucrose synthase により UDP 存在下で fructose と UDP-glucose へと分解され、セルロースやデンプン生合成の出発物質が合成される。Sucrose synthase はショ糖を合成する逆反応も触媒するため、シンク器官における貯蔵物質生合成の鍵酵素のひとつであると考えられている。イネには3種の sucrose synthase のアイソザイム (Susy1Susy2Susy3) が存在するが、それぞれが発現する時期や部位が異なることから、これらの生理機能には違いがあるものと考えられた。また、これまでの我々の研究により、イネの未熟種子では、sucrose synthase は SPK (Seed-development specific Protein Kinase) によってリン酸化されることが明らかになっている。そこで、イネ sucrose synthase アイソザイムを大腸菌発現系により調製し、これらの酵素活性が SPK によるリン酸化によってどのように変化するのかを調べた。その結果、Susy1、Susy2、Susy3 のすべてはリン酸化によりショ糖分解活性および合成活性がともに上昇することがわかった。また、これらの酵素は UDP だけでなく ADP も利用できることを明らかにした。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top