日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケにおけるブラシノステロイドの働き
*津森 康一郎丹生谷 博笠原 賢洋
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p. 0707

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抄録
ブラシノステロイドの働きは、被子植物、特にシロイヌナズナで盛んに研究が行われ、植物の正常な成長や分化に必須であることがわかっている。しかし、コケ植物などそれ以外の植物であまり研究は行われていない。本研究では、コケ植物であるヒメツリガネゴケで、ブラシノステロイドの働きを調べた。
ヒメツリガネゴケをブラシノステロイド生合成阻害剤であるブラシナゾール、スピロノラクトンを含む培地で生育させたところ、茎葉体数の減少と仮根の伸長異常が見られた。
また、シロイヌナズナのブラシノステロイド生合成遺伝子であるAtDWF7と高い相同性を示す塩基配列をヒメツリガネゴケで見つけ、PpDWF7と名づけた。相同組換えでPpDWF7の破壊株を作製したところ、その表現型は、ブラシノステロイド生合成阻害剤を投与した時と同様に、茎葉体数の減少と形態の矮小化、仮根の伸長に異常が見られた。
これらのことから、ブラシノステロイドはヒメツリガネゴケの茎葉体と仮根の形成に関わっていると考えられる。
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© 2009 日本植物生理学会
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