日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケの内生ブラシノステロイド
横田 孝雄柴田 恭美*野村 崇人藤田 知道中野 雄司
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p. 0706

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抄録
ブラシノステロイド(BR)は植物の成長調節に必須な植物ホルモンであることが、主に種子植物を用いた実験により明らかにされている。しかしながら、コケやシダ類におけるその存在や生理作用はあまりよく調べられていない。ゲノム解読の完了したヒメツリガネゴケにおいてBR生合成に関係する相同遺伝子を検索すると、ステロール生合成に必要な遺伝子は高く保存されているが、その下流のBR生合成に必要な酵素遺伝子(主にP450酵素)については、その機能が保存されているといえるほどの遺伝子は存在していない。また、BR受容体BRI1に相同性の高い遺伝子も存在しない。そこで、実際にヒメツリガネゴケでBRが合成されているのかどうか、GC-MSを用いて内生分析を行った。その結果、種子植物で活性型として存在するカスタステロンとブラシノライドはヒメツリガネゴケからは検出されなかった。しかしながら、6-デオキソカスタステロンなどの前駆体BRは検出された。ヒメツリガネゴケから検出されたBRと生合成酵素の候補となる相同遺伝子により、その生合成経路を推定する。
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© 2009 日本植物生理学会
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