日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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R1R2R3-Myb転写活性化因子を過剰発現するタバコBY2細胞のトランスクリプトーム解析
加藤 貴一Galis Ivan鈴木 しをり松岡 健*伊藤 正樹
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p. 0716

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抄録
植物の細胞周期中でG2/M期に特異的に発現する遺伝子の多くは,プロモーター領域にMSAエレメントと呼ばれるシスエレメントを持ち、そこにR1R2R3型のMyb転写因子が結合することがわかっている。本研究では,タバコR1R2R3-Mybの一つであるNtmybA2の働きを調べるため,全長のNtmybA2またはそのC末端領域を欠く高活性型NtmybA2 (NtmybA2ΔC)を過剰発現する形質転換BY2細胞を作成し,cDNAマイクロアレイを用いてトランスクリプトーム解析を行った。BY2細胞の同調培養系におけるトランスクリプトームと組み合わせて解析したところ,NtmybA2ΔCの過剰発現体ではG2/M期に特異的に発現する遺伝子群の転写産物量が選択的に増加しており、他の細胞周期中の時期に発現する遺伝子にはほとんど影響を与えないことが明らかになった。また,NtmybA2ΔCの過剰発現により発現が増加する遺伝子のいくつかを選抜してプロモーター領域の塩基配列を決定したところ,調べた全ての遺伝子にMSA様の配列が存在していた。これらの結果からNtmybA2は多くのG2/M期特異的遺伝子に対して共通に働く転写活性化因子であることが示唆された。
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© 2009 日本植物生理学会
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