日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナtonsoku 変異株のメリステム異常における細胞周期チェックポイントの役割
*中嶋 譲稲垣 宗一森上 敦鈴木 孝征中村 研三
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p. 0717

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抄録
TONSOKU (TSK)は頂端、根端双方のメリステムが異常なシロイヌナズナ変異体の原因遺伝子として同定され、タンパク質間相互作用に関わるドメインを2つ持つ機能不明のタンパク質をコードする(1)TSK は細胞周期のS期に強く発現し(2)tsk 変異株ではDNA損傷応答性遺伝子の発現が高く、細胞周期のG2からMへの進行が遅延した細胞が多い(3)。DNA損傷はATRとATMのチェックポイントキナーゼを活性化して細胞周期を制御する。atm との二重変異株と異なり、tsk atr の二重変異株では、tsk の頂端と根端のメリステム異常やDNA損傷応答遺伝子の発現上昇などの表現型が抑制され、メリステム異常にはATRを介した細胞周期進行の異常が関わることが示唆された。しかし、tsk が示すヘテロクロマチンに由来するTSIの発現をatr は抑制しなかった。現在、tskが示すメリステム異常の表現型の原因を探るために、tsktsk atrに由来するRNAを用いたマイクロアレイ解析を進めている。 (1)Suzuki, T. et al., Plant J. 38:673 (2004), (2)Suzuki, T. et al., Plant Cell Physiol. 46:736 (2005), (3)Inagaki, S. et al., Plant Cell 18:879 (2006).
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© 2009 日本植物生理学会
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