日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける低温ストレス誘導性転写因子遺伝子DREB1の転写制御解析
*城所 聡圓山 恭之進中島 一雄井村 喜之刑部 祐里子藤田 泰成溝井 順哉篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0757

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抄録
植物の転写因子DREB1/CBFは、DRE/CRT/LTREと呼ばれるシス配列に特異的に結合し、環境ストレスに対する耐性獲得に関わる多くのストレス誘導性遺伝子の発現を制御する。DREB1遺伝子の発現は、通常の生育条件下では低く抑えられて概日リズムによって制御されており、低温条件下で一過的に非常に強く誘導される。これらのプロモーター領域は相同性が高いことから、共通の転写制御機構を持っていると考えられた。そこで、本研究では、DREB1遺伝子の転写制御について解析を行なった。
DREB1Cのプロモーター配列をつないだGUSレポーター遺伝子を導入した形質転換植物の解析により、発現制御に関わる67bpの領域を同定した。この領域内には、低温応答において転写を正に制御する配列と概日リズムにおいて負に制御する配列の両方が含まれていた。酵母のワンハイブリッド法により、この67bpの配列に結合するタンパク質をコードするcDNAクローンを単離した。このcDNAは、フィトクロムとの相互作用を持ち、光応答のシグナル伝達に関わるbHLH型転写因子PIFファミリーの一つをコードしていた。プロトプラストを用いたトランジェント発現系による解析から、このPIFはDREB1Cのプロモーター上の保存配列中のG-boxに結合することが示唆された。現在、T-DNA挿入変異植物体を用いてDREB1遺伝子の発現を解析している
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© 2009 日本植物生理学会
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