抄録
IDDタンパク質は4つのジンクフィンガーを含むIDドメイン(IDD)が保存されている植物に特有な転写因子ファミリーを形成しており、シロイヌナズナで16、イネで14、トウモロコシで21以上の遺伝子があると考えられている。その中でも現在機能が明らかになっているのは、トウモロコシおよびイネの花成制御に関わるINDETERMINATE1(ID1)およびOsId1、シロイヌナズナのシュートにおける重力感知に関わるSGR5である。 しかし、最近の報告でシロイヌナズナのIDDファミリーであるJACKDAWおよびMAGPIE がGRASファミリーであるSHORT-ROOT(SHR)とその下流遺伝子であるSCARECROW(SCR)と相互作用することで、根の放射状パターン形成や幹細胞の維持に関与していることが示された(Welch D et al., 2007)。
本研究では、イネおよびシロイヌナズナの根におけるIDDファミリー遺伝子の機能を明らかにするために、IDDファミリーと、SHRおよびSCRのタンパク質間相互作用のネットワークを解析したので報告する。