日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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比較系統解析に基づいたDREB2型転写因子に共通する機能ドメインの探索
*溝井 順哉秦 峰松倉 智子森脇 崇戸高 大輔吉田 拓実圓山 恭之進篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0765

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抄録
シロイヌナズナのDREB2Aは乾燥や高温に応答した遺伝子発現に関与する転写活性化因子で、シロイヌナズナでは9遺伝子からなる遺伝子ファミリーの一員である。多くの植物でDREB2Aホモログが報告されているが、アミノ酸配列の相違が大きいために、どのタンパク質がDREB2Aと相同な機能を持ちうるのか、またどのアミノ酸が機能的に重要であるのかを推定することが難しかった。そこで、GenBankのタンパク質データベースに対してBLASTP検索を行い、DREB2Aと相同性の高い遺伝子のアミノ酸配列を取得した。これらを用いて分子系統解析を行い、DREB2型転写因子のクラス分けと特徴づけを行った。さらに得られた特徴をもとに各種植物のゲノム配列に対するTBLASTN検索の結果を解析し、未知のDREB2型転写因子のアミノ酸配列を推定した。以上の解析の結果、DREB2型転写因子は4つのサブファミリーに分けられること、各サブファミリーにおいてDNA結合ドメイン以外に保存領域がいくつかあることを見出した。その一部はシロイヌナズナのDREB2Aにおいて欠失させると活性が変化することが既に示されており、構成アミノ酸や二次構造がDREB2型転写因子に共通した活性制御機構にとって重要である可能性が示唆された。そこで、イネ、ダイズのDREB2A相同遺伝子の相当する領域に変異を加え、転写活性化能に与える影響を評価した。
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© 2009 日本植物生理学会
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