日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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基部陸上植物ヒメツリガネゴケにおけるNF-Yサブユニットの機能解析
*中村 いずみ川戸 高博任 銀河太治 輝昭田中 重雄坂田 洋一
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p. 0766

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抄録
NF-Y複合体は3つのサブユニット(NF-YA/NF-YB/NF-YC)から構成され、真核生物の遺伝子プロモーターに多くみられるCCAATボックスに結合し転写調節を行っている。酵母および動物ではNF-Yサブユニットをコードする遺伝子はそれぞれ単一遺伝子であるのに対し、シロイヌナズナやイネでは約10コピーからなる遺伝子ファミリーを形成していることから、植物においてNF-Y複合体は様々な組み合わせとなって多様な生命現象に関与していると推察されるが、個々のサブユニットの機能はほとんど明らかにされていない。基部陸上植物ヒメツリガネゴケにおいてもNF-Y遺伝子ファミリーが存在し、NF-YA/NF-YB/NF-YCについてぞれぞれ2/6/6コピーであること、藻類では0/3/3コピー存在することから、植物は進化の過程でNF-Y遺伝子群のコピー数を増加させてきたことが示唆される。我々は、ヒメツリガネゴケのPpNF-YC1が種子におけるABAシグナル伝達を制御する転写因子であるシロイヌナズナABI3のヒメツリガネゴケオーソログ(PpABI3A)と相互作用することを、酵母ツーハイブリッド法により明らかにした。ヒメツリガネゴケの一過的発現系においても、PpABI3AとPpNF-YC1が協調的にABA誘導性プロモーターを活性化することから、両因子がin vivoにおいても相互作用することが示唆された。
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© 2009 日本植物生理学会
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