日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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海洋性珪藻における新規栄養要求性変異体の取得
*坂口 俊郎松田 祐介
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p. 0794

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抄録
近年、海洋性珪藻 Phaeodactylum tricornutum及び Thalassiosira pseudonanaにおいてパーティクルガンによる安定な核ゲノムの形質転換が可能となった。しかし、利用できる挿入変異選抜系がそれぞれの種において1種類ずつしかなく、2遺伝子以上の遺伝子導入が難しい状態にある。そこで本研究ではこれら2種の海洋性珪藻の栄養要求性変異体を化学変異誘導によって作成し、1遺伝子導入による形質相補を利用した、新規挿入変異選抜系の確立を目的として実験を行った。 P. tricornutum及び T. pseudonanaを終濃度1mg/mLの化学変異原ENU( N -ehtyl- N -nitrosourea)で30分間処理したとき、未処理のものと比較して約70%の生存率を示した。変異誘導を終濃度1mg/mL ENUで30分間行った2種の珪藻を5-FOA (5-fluoro orotic acid) を0.6mM、ウラシルを0.5mM含む人工海水寒天培地に撒き、スクリーニングを行った。その後生育してきた株を5-FOA を1.8mM、ウラシルを0.5mM含む人工海水寒天培地に移し、さらにスクリーニングを行った。その結果、ウラシル要求性を示すP. tricornutumの変異体が得られた。このウラシル要求性変異体の解析結果について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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