日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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酵母を用いたハイスループットなロイシンリッチリピート受容体様キナーゼの発現系の検討
*飯笹 英一野口 千明永野 幸生
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p. 0795

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抄録
ロイシンリッチリピート受容体様キナーゼ(LRR-RLK)は植物の細胞間の情報伝達において重要な働きをしていることが遺伝学的に明らかになってきた。しかし、生化学的な解析を行うために十分量なタンパク質を植物体から得ることが困難であるため、LRR-RLKのリガンドの認識機構やシグナル伝達機構などの生化学的な機能は不明な点が多い。そこで、我々は酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用いて、約20種類のLRR-RLKの発現の検討を網羅的に行った。
まず、幾つかのLRR-RLKを用いて、発現に適した株の検討を行った。その結果、液胞プロテアーゼ、pep4、prb1、prc1の欠損株であるBY2777が最も発現に適していることが分かった。続いて、異種分泌タンパク質を酵母で発現させる際、タンパク質のフォールディングや分泌を促進するキャリアタンパク質Hsp150Δと融合させて発現の検討を行った。その結果、幾つかのLRR-RLKで自身のシグナルペプチドよりも、Hsp150Δと融合させた方が発現、分泌が改善された。
現在、発現に成功したLRR-RLKの可溶化条件の検討、および、酵母で発現させたLRR-RLKが活性を有しているかを網羅的に調べるための1つの指標として、キナーゼの活性を調べている。
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© 2009 日本植物生理学会
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