抄録
素焼きの極性を有するセラミックボール(特願2002-382862)を利用し、切り花に対するその影響を観察した。このセラミックボール(以下CB)は、水中でプロチウム化によって出来たH-を放出することが明らかになっており、仙台市水道水に入れると、ORPが-250mV前後、pHが10前後になり、その後90時間以上は還元水状態を維持するものである。(H2⇔H++H-)(日本薬学会東北支部大会発表2008,10,26)このCBが水中で放出したH-が、切り花にどのような影響を与えるのかを観察した。
実験には、青色の着色剤を吸い上げさせた市販のカーネーションの切り花を使用した。
CB(H-)の量の違いによる水の変化は、
1)水のみ200mlの場合はうっすら色がつく。(付着していた色素が溶けだしたと考えられる)
2) CB0.65g/200mlの水に入れた場合は水が透明のままである。
3) CB0.80g/200mlの水に入れた場合は水が濃い青色になった。この事実は水が植物体内を循環したと考えられる。
以上の結果から、投入したCBの量、即ちプロチウム化によりできたH-量が、切り花の水の循環に関係していることを示唆する。この現象は、まさに水素イオンチャンネルがコントロールされたかのような現象を示すものであると推測される。現在そのメカニズムについて解析中である。