日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの葯におけるアクアポリンの発現プロファイリング
*岩崎 郁子伊藤 耕太松本 直北川 良親
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p. 0820

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抄録
アクアポリンは動植物、微生物を含め生体膜に存在する主要なタンパク質のひとつであり、水の透過孔(水チャネル)を形成し、生物体内の水の流れ、細胞の浸透圧調節などに重要な役割を果たしていることが分かってきた。
植物のアクアポリンは、PIP(原形質膜型、plasma membrane intrinsic protein), TIP(液胞膜型、tonoplast intrinsic protein), NIP(NOD26-like intrinsic protein, マメ科植物の窒素固定菌のアクアグリセロポリンと類似), SIP(small basic intrinsic protein, 他のアクアポリンに比べN端側が短い)の4つのグループに分類され、シロイネナズナでは35種、トウモロコシでは31種、イネでは33種(最近37種まで判明)の分子種が存在し、大きなタンパク質ファミリーを形成している。
私たちは、イネの花の葯におけるアクアポリン遺伝子の発現について調査した。葯では花粉母細胞は減数分裂を開始して4分子期をむかえ、さらに小胞子期(前期と後期)を経て成熟花粉となる。やがて葯は裂開して花粉は飛散し、柱頭への受粉にいたる。本研究では、花粉細胞の発達過程の時間軸にそって、どのようなアクアポリン遺伝子が発現しているのか、冷温により変化するのか、得られた知見について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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