日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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異種発現系を用いたコムギALMT1タンパク質の精製
*佐々木 孝行古市 卓也源治 尚久戸澤 譲山本 洋子
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p. 0830

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抄録
コムギのアルミニウム(Al)耐性は、主に細胞膜に局在するAl活性化型リンゴトランスポーターALMT1により制御されている。コムギ以外の植物にもALMT相同タンパク質があり、Alにより活性化されるものと、されない相同タンパク質の存在も明らかとなってきた。これら輸送活性の性質はタンパク質の立体構造に依存すると考えられるが、ALMTタイプの遺伝子ファミリーは植物にのみ存在し、また知られているどのタイプのイオン輸送体とも相同性を示さないため、構造については不明な点が多い。本研究では、ALMT輸送体の機能および構造の解明を目的に、タンパク質の精製を行っている。
これまでの解析から、大腸菌と酵母(Saccharomyces cerevisiae)でのタンパク質発現は見られなかった。そこで、タバコ培養細胞(BY-2)にC末端Hisタグ融合ALMT1を発現させた。この形質転換タバコ細胞は、Alで活性化されるリンゴ酸輸送を示したことから、His融合タンパク質は機能を持つ構造を保っていると考えられた。現在、アフィニティカラムを用いてタンパク質の精製を行っている。また、酵母Pichia pastorisを用いたタンパク質発現系、ならびに、コムギの無細胞タンパク質合成系を用いてALMT1タンパク質合成を試みており、合わせて報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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