日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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活性酸素種生成酵素AtrbohD, Fの新規活性制御因子の探索
*路川 真貴河原崎 朋子賀屋 秀隆朽津 和幸
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p. 0852

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抄録
植物は、生体防御応答、形態形成等の過程で積極的に活性酸素種(ROS)を生成する。ROS生成酵素NADPH oxidaseの本体としてrespiratory burst oxidase homolog (rboh)が同定されており、その活性化は時空間的に厳密な制御を受けていると考えられる。シロイヌナズナに存在する10種のrbohのうち、AtrbohC, Dは、ヒト培養細胞を用いた異種発現系解析から、N末端領域のEF-handモチーフへのCa2+の結合と、リン酸化により、相乗的に活性化されることが明らかとなった(Takeda et al. Science 2008, Ogasawara et al. JBC 2008)。
一方、哺乳動物のNADPH oxidaseの多くは、rbohのホモログであるNOX以外に、低分子量Gタンパク質Racを含む複数の制御因子により活性が制御されるが、植物ゲノムにはRac以外のNOXの活性調節因子のホモログは見出されていない。そこで、rbohの活性制御に関与する因子を探索する目的で、生体防御応答に関わるAtrbohD, Fと相互作用する因子をYeast two-hybrid法により探索した。活性制御への関与が想定されるAtrbohD, FのN末端領域と相互作用する候補因子の同定と機能解析の結果について報告し、rbohの活性制御機構について議論する。
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© 2009 日本植物生理学会
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