日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

葉緑体チラコイド膜を介したストロマから内腔への還元力伝達機構の解明
*本橋 健久堀 徹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0878

詳細
抄録
高等植物葉緑体では、光合成電子伝達系から得られる還元力は葉緑体ストロマ側に伝達されNADPHを生じる。ストロマ側に存在するチオレドキシンは、この還元力の一部を使ってフェレドキシン、フェレドキシン-チオレドキシン還元酵素によって還元される。生じた還元型チオレドキシンは、ストロマ側で各種チオール酵素を還元し、その酵素活性を調節する。また、ストロマ局在のチオレドキシンは活性酸素種消去酵素であるペルオキシレドキシンの酵素反応そのものに必要な還元力も供給する。
これまで、私たちはチオレドキシンの還元力供給経路として、上記の2つの経路以外にチラコイド膜を介して、チラコイド内腔のチオレドキシン様タンパク質HCF164へ還元力を供給する経路が存在することを示してきた。HCF164はチラコイド膜に一回膜貫通領域を持ち、活性に必要な領域はチラコイド内腔側を向いている。このHCF164が内腔側で機能するためには、活性中心のジスルフィド結合を還元するための還元力の供給が必要である。これまでの研究で、この還元力の供給源はストロマ側に存在するチオレドキシンであることを明らかにした。今回は、チラコイド膜を介したストロマからチラコイド内腔への還元力供給経路の全容解明を目的として、その分子機構、新しい候補因子の役割などについて報告し、高等植物葉緑体のチラコイド膜を介した還元力伝達経路の分子機構を考察する。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top