日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの葉緑体/ミトコンドリア型MDAR 遺伝子破壊株の解析
*水口 達也渡部 茜井村 有里安田 周祐溝口 年伸白野 由美子林 浩昭柴田 大輔加藤 友彦田畑 哲之市原 謙一佐野 智
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p. 0886

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抄録
アスコルビン酸(AsA)が抗酸化剤として作用する時、主に1電子酸化物のモノデヒドロアスコルビン酸(MDA)となる。MDAレダクターゼ(MDAR)はNADHを電子供与体としてMDAをAsAに再生する酵素であり、植物細胞内のAsAプールの還元状態維持に重要である。シロイヌナズナゲノムには5つのMDAR遺伝子が存在し、そのひとつであるat1g63940はN末端に2つのMetを含むトランジットペプチドをコードしている。最初のMetから翻訳されるとミトコンドリアへ、2番めのMetから翻訳されると葉緑体へ輸送される。葉緑体とミトコンドリアは植物の主な活性酸素発生源であるため、この葉緑体/ミトコンドリア型(cp/mt)MDARはAsAを維持し、活性酸素消去に大きく寄与していると考えられる。シロイヌナズナタグライン共同利用システムを利用し、スクリーニングして得られたcp/mt MDAR遺伝子破壊株では正常なcp/mt MDAR mRNAが転写されておらず、この株から単離した葉緑体とミトコンドリアの可溶性画分にはMDAR活性が見られなかった。通常の条件下で生育した野生株と遺伝子破壊株に外見上の違いは見られなかった。また両者の葉のMDAR比活性とAsA量に有意な差はなかったが、スーパーオキシドジスムターゼの比活性は遺伝子破壊株で約2倍に増加していた。現在ストレスに対する応答の実験を行っている。
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© 2009 日本植物生理学会
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