日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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浸透圧ストレスで活性化するシロイヌナズナのプロテインキナーゼSnRK2bサブファミリーの機能解析
*溝口 昌秀梅澤 泰史中島 一雄藤田 泰成篠崎 和子篠崎 一雄
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p. 0905

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抄録
近年、植物のストレス応答においてSNF1-related protein kinase 2(SnRK2)と呼ばれる一連のプロテインキナーゼファミリーが重要な働きをしていることがわかってきた。SnRK2はシロイヌナズナに10個存在し、それぞれ浸透圧やアブシシン酸(ABA)で活性化することが知られている。SnRK2はC末端領域のアミノ酸配列からSnRK2aとSnRK2bの2つのサブファミリーに分けられるが、これまでにSnRK2aに属する複数のキナーゼがABA応答に重要な役割をもつことがわかっている。一方で、SnRK2bに関しては機能解析がほとんど進んでいない。そこで、SnRK2bの機能を明らかにすることを目的として本研究を行った。ゲル内リン酸化実験によって、SnRK2bのメンバーであるSRK2GはABAではなく、マンニトールや塩といった浸透圧ストレスで30秒以内という非常に早い活性化を示した。次に、SnRK2bの機能を調べるために、各遺伝子についてT-DNA挿入変異体を単離した。遺伝子発現パターンや細胞内局在データなどから、SnRK2bの機能は互いに冗長的であることが予想されたため、それぞれの変異体を掛け合わせることにより二重~四重までの多重変異体シリーズを作製した。今回はこれらSnRK2bの多重変異体を用いた解析結果について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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