日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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金属ストレスや酸化ストレス等の多種のストレスに応答するアラビドプシスのAtGST11遺伝子の応答に関わる転写調節因子の単離と解析
*河野 貴文Yulita Kusumadewi.S.中島 進江崎 文一
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p. 0932

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抄録
土壌の酸性化に伴うアルミニウム(Al)障害は、主に植物根の生育阻害を引き起こす。我々がこれまでに単離したAl耐性遺伝子の多くは誘導性を示したことから、Alストレスに対する遺伝子の発現応答機構を解明することは重要である。そこで我々はAlストレスで誘導されるアラビドプシスのAtGST11遺伝子の発現応答に関連する遺伝子群、特に転写制御に関連するプロモーター結合性転写調節因子(TF)の遺伝子群を単離することで、その応答メカニズムの一端を明らかにしようとした。
Alストレス誘導時にアラビドプシスのAtGST11遺伝子のプロモーターに結合するタンパク質を同定するためにOne hybrid法で解析した。AtGST11遺伝子のプロモーター配列のタンデムリピートとcDNAライブラリーを用いてOne hybridを行った。3-AT耐性を示す7個のcDNAをTF候補として単離した。また、Bio panning法によっても3候補が得られた。これらの塩基配列を決定し、さらに理研より得たそれらの完全長cDNAを用いて再度One hybridを行い、再現性を確認した。さらに2つの選択法から得られた7遺伝子を用いてRT-PCRを行い、Alストレス下での発現パターンを解析した。現在はゲルシフト法でin vitroでの結合特異性を見るためにTF候補タンパク質の大量調製を行っている。
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© 2009 日本植物生理学会
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