日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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S糖タンパク質様タンパクは青枯病菌感染に対する防御応答に関与する
Maimbo Milimo大西 浩平吉岡 博文曵地 康史*木場 章範
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p. 0988

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抄録
ナス科青枯病菌(Ralstonia solanacearum)に対する植物の防御機構、および発病に関わる植物遺伝子の単離と機能解析を進めている。本研究では、非病原性R. solanacearum(Rs8107)接種によって発現が誘導されるRsRGA4(R. solanacearum-responsive gene A4)に着目した。全長RsRGA4の推定アミノ酸配列にはN末端細胞外分泌シグナル、Bレクチン領域、PAN領域が存在し、アブラナ科植物のS糖タンパク質と相同性を示した。そこで、NtSGLPNicotiana tabacum S locus glycoprotein-like protein)およびN. benthamiana のオルソログNbSGLPとした。NbSGLPは細胞外型タンパク質であり、Agrobacteriumを介したNbSGLPの一過的発現によって、PR-1aEREBPの発現が誘導された。NbSGLPサイレンシング植物ではRs8107接種によって誘導されるPR-1aEREBPの発現が抑制されるとともに、非病原性R. solanacearumの増殖が促進された。さらに、病原性R. solanacearumの増殖のみならず、発病も促進された。以上の結果から、SGLPはR. solanacearumに対する防御応答に重要な役割を持つことを示唆された。
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© 2009 日本植物生理学会
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